スーパーノヴァ
Supernova/監督:ハリー・マックイーン/2020年/イギリス
この記事は2021年に書いたスーパーノヴァ/いつか終わる愛の前に | 映画感想 * FRAGILEに加筆修正し転載したものです。
TOHOシネマズシャンテ スクリーン1 E-11で鑑賞。出てくるのがほぼコリン・ファースとスタンリー・トゥッチ2人だけなので、この2人が好きな人に。しんどいです。運命であると受け入れられれば、まだ良かったのに。
あらすじ:長年連れ添ったカップルの片方が病気になります。
※ネタバレしています。注意書きはありません。
長年のカップルであるコリン・ファースとスタンリー・トゥッチ。2人は休暇を取りキャンピングカーで旅行へでかける。トゥッチは不治の病におかされていた。この物語は、ふたりの旅のみが描かれる。
ヘテロセクシュアルの話でなかったことがこの物語の肝でもあったように思う。レズビアンでもよかったが、同性愛でなければならなかったように思う。それがなぜなのか私には説明ができないが……。
傍目に観てもとても仲の良いカップルであるファースとトゥッチは、20年(劇中では30年とされていたがここは公式サイトに倣っておく)連れ添った年月の長さも納得の、お似合いの二人だ。おそらくここに行き着くまでにいろいろあったのだろうが、お互いのことをよく理解し受け入れていることが最初にふたりが出てくるカットからもよくわかる。そんなふたりを引き裂くのは、トゥッチの病気だった。不治の病ではあるが、生命の危機がおとずれているわけではない。認知症というのは残酷な病気である。死に至る病であれば、まだ良かったのにとすら思ってしまう。
病気の描写は極端に少ない。それがまた、「まだ大丈夫なのではないか、その決断を下すには早すぎるのではないか」と思わせる。基本的に無口なファースが心情を吐露するシーンでは涙がこぼれた。ひとの強い感情にさらされると、引っ張られて同じように感じるのは当然かもしれないが、目に涙を浮かべながら思いの丈を打ち明けるファースのその姿には心が震える。
愛はいつか終わるのか。その終わり方はどうおとずれるのだろう。
『スーパーノヴァ』はどちらの立場に立ってもしんどいし正解のない問いのようなもので、どうなってもどん詰まりというしんどさと星空に表される美しさの対比がよかった
— ナイトウミノワ (@minowa_) July 3, 2021
トゥッチはこっそり、自殺の計画を立てていた。そのことを知ったファースが受けた衝撃はどれほどのものだったろう。トゥッチの言い分もわからないではない。このまま病状が進行して、なにもかもわからなくなってしまう前に、自分の人生の幕を引くのは理解できる。しかし残されたほうはどうだ。愛する人の決断とはいえ、死なれてしまってはどうにもやるせない。ましてやファースには、トゥッチの介護をする覚悟さえあるのだ。ファースは、南仏へ旅行に行こう、などと、とうていかなわないであろう夢のような話をする。これはファースがトゥッチの病気という事実から目をそらしているわけではなく、本当にどうしていいのかわからないからではないかと思った。育まれた愛の終わりが、こんなにつらいのなら、いっそ愛など知らなければよかった。


