きいろいゾウ/言葉の数だけ傷ついて

ラブロマンス
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きいろいゾウ

監督:廣木隆一/2012年/日本

U-NEXTで鑑賞。公開時、「これは本当にヤバい」と話題になっていたのですが、なにがどうヤバいのか誰も教えてくれなかったので観ようと思いましてですね。原作未読。

あらすじ:交際0日で結婚しました。

ネタバレしています。注意書きはありません。

動物や植物の声が聴こえるツマ(宮崎あおい)と、背中に刺青のあるムコ(向井理)は、田舎で暮らしています。


ある日、ムコ宛に手紙が届き……。

いや……『ハッピーボイス・キラー』(2014年)じゃないですか! 「不思議ちゃん」とか「天然」とかいう言葉が昔、流行りましたが、ツマの場合は統合失調症なんじゃないかと思いますね。不思議や天然で美しくコーティング出来ないです、これ。でも普通のときは普通なので、よくわからないです。幻聴が聞こえるというだけで統合失調症扱いするのもいけない気がしますが、いや、しかし。

ムコは、子供の頃、お世話になった女の人が首吊り自殺をしたことをツマに打ち明けます。ここ、ご丁寧に首吊り死体出てくるんですよ。そのディテール、なくてもいいのにとは思いました。が、ほんわかとした幸せなふたりを描いているところで突然死体が映像として出てくるとギョッとして現実に引き戻されるので、描き方としては面白みがあって、いいのかもしれません。いいのか? 夜にはセックスするようすを映すし、なかなか攻めているんじゃないでしょうか。

ムコは毎晩日記を書いており、ツマに対する優しい視線を持っていることを感じます。ネットスラングでいうところの「理解のある彼くん」ですか? もう、私にはツマが統合失調症にしか見えていないので、こういう下品なスラングも使っちゃうってもんですよ。そしてツマはその日記をこっそりと読んでおり、読んだ痕跡を残すんですね。ムコのことをより深く知りたいという欲求からくる行動かと思いますが、痕跡を残すのは圧力になるし、とにかく良くないです。ものすごく深い病みと闇を感じてしまいました。

ハチに刺されただけで号泣するツマの姿や、近所の子供と老人しか友人がいないところとか、精神年齢がとても幼いように思えるようすなど、ツマはふわふわしすぎていて、一刻も早く投薬治療を受けたほうが良いように思います。

ムコはムコで、かつて惚れた女が描いた絵を背中に彫っていて、これは私はあんまり人のこと言えないかんじではありますが、良くないですよ〜良くない。想いのこもった刺青は呪いの一種だと思っているので。一生消えない他人の絵を背負ってしまうと、いつまで経っても、忘れたくても、相手のことを忘れないから。人生が良くない方に変わってしまうと思いますよ、刺青だけは、おすすめしませんよ。

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