デビルズ・バス
Des Teufels Bad/監督:ヴェロニカ・フランツ、ゼヴリン・フィアラ/2024年/オーストリア・ドイツ合作
マスコミ試写で鑑賞。公開は2025年5月23日です。PG12。実話を基にしています。
あらすじ:新婚ですが憂鬱です。
※ネタバレはありません。
18世紀半ば、オーストリア。古くからの伝統が残る小さな村に嫁いだアグネスは、夫からの愛を感じることができず、また、義母が毎日家に来ることにもなじめずに憂鬱な気持ちで日々を過ごしていました。毎日、村人たちと鯉を捕り川で洗濯をし、疲れ果てて家に帰ると義母がいて、ねちねち嫌味を言ってくるわけです。嫁姑問題って昔からあるんだなあ。
彩度の低い映像がきれいで、寒々しい風景と色味がアグネスの気持ちを代弁しているかのようです。腐乱死体でさえ美しいと思わせる、画の力がありました。絵画的というか、ちょっとレンブラントっぽいかんじ。
印象的だったのは、歯です。前半はそうでもないのですが、中盤以降、アグネスの歯はとても汚くて、自分のケアがまったく出来ていないことを表しているのかなと思いました。口の周りを汚し、焦点の合わない目でベッドに横たわるアグネスの姿は、素人目に見ても深刻な鬱状態であることが伺えます。最悪の人生から抜け出すためにアグネスが選んだことは、今の私たちには理解しがたい行動でした。
何をもって物事の善悪を判断するのかというときに、宗教が基盤になるというのは私にとっては自分ごととしてとらえることはとても難しく、どうしても「よその世界の決まりごと」のように思えます。この映画は17世紀〜18世紀のヨーロッパで「善悪」がどのように扱われていたかを知ることによって、アグネスがどうしてあんな行動を取るに至ったのかを少しだけ理解することができるでしょう。映画を観る前の予習は特に要らないです。最後に説明してくれるので大丈夫です。おすすめです。
ここから下は、私が自分のために書き留めておく文章になります。
エンドロール前に人名が出たので検索したら、The Conversationの記事がヒットしました。引用して置いておきたいんですがページタイトルがすでにこの映画のネタバレを含むため、ワンクッション置きます。
今日はホラーを観ようかな
たぶんホラーだとおもう— ナイトウミノワ (@minowa_) April 17, 2025
ホラーじゃなかった。
Kill someone else knowing you will be executed for murder, turn yourself in, ask forgiveness before your execution, and you could effectively kill yourself and still get to heaven. And if you kill an innocent child, who hasn’t yet sinned, the child goes to heaven too, before growing up to “learn damnation”, as one 18th century jurist put it.
A hell of an incentive for murder: a rationalist’s guide to suicide


