『悪魔の毒々モンスター』シリーズ

コメディ
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この記事は2011年に書いた「悪魔の毒々モンスター」シリーズ | 映画感想 * FRAGILE悪魔の毒々モンスター/新世紀絶叫バトル | 映画感想 * FRAGILEを修正し転載したものです。

悪魔の毒々モンスター

THE TOXIC AVENGER/監督:マイケル・ハーツ、ロイド・カウフマン/1984年/アメリカ

スポーツジムの掃除夫でいじめられっ子のメルビンは、ある日ふざけた客に騙され笑いものにされてしまう。あまりの絶望に窓から身を投げたら、下には有害物質がたっぷり詰まったドラム缶! 頭から有害物質をかぶった彼は、みるみるうちに恐怖の怪物へと変身してしまうのだった……。

そして、有害物質のなんらかの影響により、本能的にどうしても悪を倒してしまうのだ! まじスーパーヒーロー! モップ片手にだいかつやく! やりかたはわりとえぐい。ドリルで頭をぶっつぶしたり、腕をもぎとったり、目潰ししたり大変だ。でも相手はちょう悪人だからいいんです。どれくらい悪人かというと、『デス・レース2000』みたいに人間をひき殺して点数付けて遊ぶくらい悪人です。子供の頭がばしゃっと割れるよ。ひどい!

モンスターになったメルビンは、背が伸びて声もちょっと男前になるよ。盲人の彼女もできます。ちなみにメルビンがかぶった緑色でボコボコと泡のたつ有害物質は、トロマ汁といいます。言うんです。何が入ってるのかぜんぜんわからない。突然すごいスタントをやったりするのでハラハラします。映画なのでこれくらいは普通なはずなんですが……。途中、回想シーンが異常に長くてですね、つなぎも下手くそなので、ディスクに傷が付いていて前に飛んだのかと思いましたね。こういうどんくさいところとかもすごくいいです。トロマでは気に入ったシーンは何度でも使って良いとされております。たぶん。

トロマ映画は「Z級」とか言われているそうですけど、そんな悪し様に言うほどひどくもないと思います。ちゃんとやってるよ! 戦車だって出てくるよ! 上出来だよ!

悪魔の毒々モンスター 東京へ行く

THE TOXIC AVENGER PART II/監督:ロイド・カウフマン、マイケル・ハーツ/1988年/アメリカ

めんどくさいので細かい説明ははしょりますけど、毒々ちゃんがね、父親を探しに東京へ来ます。1よりコメディ色が濃くなり、どうしようもないギャグがばんばん投入されはじめました。また、「ぽんよよよーん」みたいな効果音が随所に散りばめられています。音源を買ったんでしょうか。トロマでは新しく仕入れたものはどんどん使うと良いとされております。たぶん。

毒々ちゃんの造形も微妙に進化していて、左目(頬のあたりについている作り物の目)がキョロキョロ動くようになりました。それから、キャスト変更がありまして、彼女が違う人になりました。盲人設定は変わらないです。1のサラは普通の人だったんですが、2と3のクレアは常に下着姿でなんかストリッパーみたいなんですよね。動きもやばくて最初ビックリしましたが、見てたら慣れました。わりといい。毒々ちゃんのお母さんも違う人になって、やっぱりすっごい派手なんです。一気にホワイトトラッシュくさくなったよ毒々ちゃん。

「これが東京タワー! 全部鉄!」と、関根勤がタレントの役で頻繁に登場します。いい顔だなー。毒々ちゃんは山手線に乗ったり浅草へ行ったり銀座へ行ったり竹下通りを歩いたりするんだけど、とうぜん周囲は普通の人なんですよ。もう超ガン見ですよ。いたたまれない! いたたまれないよ! こうやって見るとやっぱ日本って狭いんだなって思いますね。道が。

ヤクザをやっつける毒々ちゃんの特殊メイクうまくできてるよね。銭湯でヤクザと野菜を一緒に煮て「しゃぶしゃぶいっちょうあがり!」と叫ぶ毒々ちゃん。出てくる日本人俳優が、きっちりトロマ演技というか、アメリカ人俳優のテイストと変わらなくてほんとすごいと思います。キューって寄り目にしたりするのがまったく一緒なのよ。それから、普通の住宅街のね、せっまい道ですっごいスタントやったり、ひとんちの前で全裸(前貼り一丁)の女が走りまわったりしてね、ほんとギョッとします。そうそう、永井豪が佃煮評論家として出てきますよ。

こう書いていると超ゆるい感じなんですが、東京での大ボス・安岡力也の散り際はたいへんにスプラッタです。力也はメルビンのお父さんで麻薬の密輸してる相撲取りなの。こうして悪を倒した毒々ちゃんは、相撲の精神を学び、一回り成長してアメリカに帰ります。するとなんということでしょう、東京に行ったのがまったく意味を成さない結末に!

2と3はもともと1本の映画だったのが、編集してみたら5時間くらいになってしまったので2本に分けたのだそうですよ。アメリカ帰ってきてからのシーンは2を終わらせるために無理やり付け足したっぽいのです。そのため東京パートは完全に観光しただけになってしまったという! えー! そんな!

悪魔の毒々モンスター 毒々最後の誘惑

THE TOXIC AVENGER PART III: THE LAST TEMPTATION OF TOXIE/監督:マイケル・ハーツ、ロイド・カウフマン/1989年/アメリカ

街が平和になったために毒々ちゃんはやることがなくなってしまいました。仕事もせずゲーセン行ったりしています。クレアの生活保護だけではやっていけない、こんな俺はダメ人間(怪物)だ、と悪夢にうなされたりします。バイトを点々とするんだけれどもうまくいきません。煮詰まっていたところへ就職の話が舞い込んできたので大喜びで食いついたら、なんとその会社はブラックでした。っていうおはなしです。いきなり問題がリアルになりました。

ちなみに今回新しく仕入れたものは「ぐるぐる回るやつ」と「すっごい寄れるレンズ」らしく、やたらぐるぐる回ったりすっごい寄ったりします。あと、逆回転。壊れたスクールバスがみるみるうちにもとに戻ったりするよ。わあ、映画ならではの超絶テクニックだあー(棒)。

毒々ちゃんが就職した会社の社長は、実は悪魔でした。ごぶごぶごぶーと悪魔が出てくるよ。悪魔の中の人はとっても大変で、口の中にミルワームたっぷり詰め込んだり、頭の上に蛇やねずみを乗せられたり。トロマは役者に厳しいよ。悪魔との戦いでびっくりしたのは、スクールバスを2台つぶしてるってところ! 1台目は崖から落としてて、2台目は風雲たけし城みたいなところで大爆発してるの。こういうふうに書くと、まるで「ひどいものを見てすごいって言うワタシ!」みたいな嫌な感じが鼻につくかもしんないんですが、シリーズ通して見てるとほんとにこういう気持ちになるのでしょうがないです。なんだかんだ言って毎回1台は車つぶしてるし爆発もあるんだよねー。

3は戦いがちょっとチンタラしてるのと、逆回転を使い過ぎてだんだん飽きてくるんですが(そして相変わらず回想は長い)、大オチですっごいびっくりしました。だって関根勤が出てくるんだもん!

悪魔の毒々モンスター/新世紀絶叫バトル

CITIZEN TOXIE: THE TOXIC AVENGER IV/監督:ロイド・カウフマン/2000年/アメリカ

悪魔の毒々モンスター』、12年ぶりの続編です。毒々ちゃんが、爆発の衝撃でパラレルワールドにいる悪い毒々ちゃんと入れ替わってしまうというお話です。悪い毒々ちゃんは超悪いので、入れ替わってしまって状況がわからないことにとまどうよりも先に、人を殺しまくります。毒々ちゃんが入れ替わったことなど知らないトロマヴィルの人たちは大騒ぎです。

カブキマンさんはニューヨーク市警のカブキマン刑事です。「カァ~ブゥ~キィ~マ~ン~ サァンジョ~ウ」って言います。箸とか寿司とかで戦うらしいんですけど、戦うところは出てきませんでした。悪いカブキマンさんもいて、そちらは隈取が金色で、スーツ着ています。カブキマンさんは、『カブキマン』(1990年)ではヒーローだったらしいんですが、『悪魔の毒々モンスター/新世紀絶叫バトル』ではアル中のだめなやつです。それでもいちおうスーパーヒーローなので、トロマヴィル市長から事態の収集を命じられます。トロマヴィル市長は悪い人ではないと思うんですが、こんなあきらかにだめそうな人たちに何を期待しているのだろうと思いますね。

悪い毒々ちゃんが暴れまわっているとき、良い毒々ちゃんは頭だけの黒人と、養護学校に通っている男の子&女の子と一緒に、どうにかもとへ戻る方法を探します。それにしても、悪いやつの順応力ってすごいですよね。たくましい。人の評価を気にせず好きなように悪くふるまえるんだろうね。

毒々ちゃんの奥さん、盲人のサラは妊娠しました。しかし、入れ替わった悪い毒々ちゃんにレイプされてしまい、悪い毒々ちゃんの子供も孕みます。目が見えないので、うろうろして、中絶しかけたりします。今回は、障害者ネタ、下ネタ(排泄とエロの両方)、人種差別ネタ(KKK)、中絶ネタ、宗教ネタなど、ちょっときつめのギャグが多いように思います。

良い毒々ちゃんの子供と、悪い毒々ちゃんの子供がサラのお腹の中で戦います。モップで。モップは生まれつきじゃないよね! っていうかぼこぼこの顔も生まれつきじゃないけどね。ぬるぬるしたところでぬるぬるしながら大きい被り物をかぶって戦っちゃって、ああ、やっぱりトロマは役者にきびしいよ。良い毒々ちゃんと悪い毒々ちゃんもモップで戦います。悪い毒々ちゃんのおちん様を爆発させると、中からメルビン(毒々ちゃんが人間だった頃の少年)が出てきました。1作目のメルビン役の役者なんですよ。ですが、観る影もなく激太りしていました。

12年ぶりの続編にもかかわらず、前3作とまったくかわらないテイストを保っていることに驚きました。きゅーっと寄り目にしてひょえーって言うのはちょっと少なかったかな? 前作のすぐあとに撮った映画ですよと言っても違和感ないと思います。映像があんまりきれいじゃないのも含めてね。

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