オラン・イカン/これはバカ映画ではない

ホラー
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オラン・イカン

Orang Ikan/監督:マイク・ウィルアン/2024年/シンガポール・インドネシア・日本・イギリス合作

マスコミ試写で鑑賞。公開は2026年5月22日です。

あらすじ:半魚人が襲ってきます。

ネタバレはありません。

第二次大戦末期。日本軍の捕虜輸送船が沈没します。日本兵のサイトウ(ディーン・フジオカ)とイギリス人捕虜のブロンソン(カラム・ウッドハウス)はお互いの足首を鎖で繋がれた状態のままで無人島に漂着するのでした。

第一印象は「すごい細かくカット割りするなあ」でした。20年くらい前に流行ったチャカチャカ編集(伝われ)とまではいかないですが、印象に残るほどには細かいです。モンスターの出てくる映画であるということは知っていましたが、それが半魚人だとは知らなかったので、最初のほうでチラチラと半魚人の身体が見え隠れするようすを見て、なんだろね!? とワクワクした気持ちになりました。半魚人の見た目がはっきりとわからないときから、殺人の描写が残酷だったところも好きです。

ブロンソンが序盤からわりとよく話し、協力し合っていこうという態度を積極的に見せるのに対し、サイトウは無口なタイプで反応も薄いです。また、物語には関係ないことではありますがディーン・フジオカは英語が話せるはずなので、最初は無口でもそのうちブロンソンと英語で話すんだろうなと思っていたら、最後まで日本語を貫いたので逆に(逆?)感心してしまいました。この映画、「映画あるある」をやらないんだ。でも別の「映画あるある」があって、それは日本語と英語で話が完璧に通じているところです。おもしろいよね。

タイトルに書きましたが、この映画はいわゆる「バカ映画」ではありません。ふざけることで観客を笑わせようとするような描写はありません。真正面から怪物ホラーをやっており、半魚人の造型のクオリティも高く、ちゃんと怖く見えるところがとても良かったと思います。そして話が進むにつれ、半魚人の心の動きまでもが感じられるようになってきます。これはいずれ愛着と名を変える感情であるなと思います。

難点をあげるとすれば、アクション自体は良いものの、それらのシーンが主に夜なので、暗くて少し見えづらいところでしょうか。半魚人の知能は、物事を関連付けて捉えることができているようですから、だいぶ人間に近いです。サカナとニンゲンだったらニンゲン寄りですね。半魚人が襲ってくる理由はまったくわかりませんが、それでいいとも思います。物事のすべてに意味を与える必要はないです。現実に起きた出来事に対するメタファーであろうなとは思います。ともかく、丁寧に作っていることが伝わってくる、面白い映画でした。

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