TOKYO BURST – 犯罪都市 –
監督:内田英治/2026年/日本・韓国合作
マスコミ試写で鑑賞。2026年5月29日(金)TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開。マ・ドンソクの『犯罪都市』シリーズは未見です。こちらはスピンオフ作品で、完全オリジナルのようです。この作品からいきなり観ても、内容の理解に問題はありません。
あらすじ:歌舞伎町で大暴れ。
※ネタバレはありません。
血の気の多い新人刑事・相葉四郎(水上恒司)は、韓国からやってきた刑事チェ・シウ(ユンホ)と組むことになります。
冒頭、フィリピンの刑務所に収監されているトクリュウのボスみたいなのが出てきます。なんとなく見たことがあるようなないような、どこか親しみを感じる風貌だなと思っていたら、とにかく明るい安村でした。他にも、いま大人気のアイドルグループ、モナキのおヨネに似た髪型のホストが出てきて、ホストをこういう感じの見た目に描くのってちょっとめずらしいなと思ってよく見たら、KAT-TUNの上田竜也でした。そしてなんと言っても、もう絶対にこれはピエール瀧だというヤクザが出てきて、でもあまりにも風貌が年季の入ったヤクザっぽく、瀧……だよね? ああ、瀧だ。ん? 瀧か……? と逡巡してしまいました。いや、どこからどう見てもピエール瀧なんですが、ひとりだけ本物みたいだったので……。
歌舞伎町が舞台なので、基本的に新宿から外には出ません。まったく出ないわけではない。さきに書いたとおり私はマ・ドンソクの『犯罪都市』シリーズは未見のため、相葉四郎というキャラクターが韓国のシリーズに登場していたかどうかすらわからず、観終わってから調べました。相葉四郎はこの映画のために作られたようですね。あまりにも自然に主人公として登場し、あまりにも自然に暴力をふるうので、違和感がまったくなく、すごいなと思いました。なにかとニヤニヤしていることが多い相葉の立ち居振る舞いや、スタントなしのアクションシーン、キャラクターについてじっくり説明されるわけではないのに「わかって」しまうところなどが良かったです。
人によっては、これは『犯罪都市』シリーズと言えない、と思うのかもしれません。そればかりは人それぞれなので、どうにも言いようはないです。二次創作などで「なんでも許せる人向け」という表現がありますが、この映画は『犯罪都市』シリーズを好きな人にとっての「なんでも許せる人向け」かもしれないです。『ワイルド・スピード』シリーズでいうと『ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT』(2006年)の立ち位置です。え? 20年前?!
全体を通して見ると、この映画の価値観から合わないという人もいそうだなという感想になります。暴走族やホスト、ヤクザなどが「かっこいい」という価値観のもとに作られており、中盤あたりから10分に1回くらいのペースで暴力シーンが入るためです。まあそういうタイプの人はタイトルとビジュアルを見た時点で、この映画を鑑賞リストに入れないと思うので問題ないでしょう。権力と暴力と大金、政治家とヤクザの癒着などの展開を好む人たちにはおすすめしたいです。カーチェイスもありますが自転車でのチェイスもあったり、銃がない代わりのヤバめの武器・ツルハシが出てきたり、ファイトスタイルがバラエティ豊かだったりと、見どころは多いです。
また、新宿アルタ前を封鎖して撮ったというシーンは、実際にあの場を知っている人から見たら驚異的と感じるかもしれません。私は好きです。10年後に見返して、かつての新宿の姿を懐かしく思うという楽しみ方もできそうですね。

