リバー、流れないでよ
監督：山口淳太／2023年／日本
U-NEXTで鑑賞。これも公開時に気になっていて、でも映画館に足が向かなかったため、配信で観られて嬉しいです。
あらすじ：2分間を繰りかえす。
※ネタバレしています。注意書きはありません。
京都の旅館で働くミコト（藤谷理子）は、旅館の裏にある川辺に居たところを女将に呼ばれて仕事に戻る。ところが、その2分後にまた川辺に居るのだった。
ループしているのはミコトだけではなく旅館に泊まっている客たちや他の従業員も全員なんです。ループする2分間はワンカットで撮られています。これはもうアイデア勝ちですね。ループしていくたびに状況も変わっていき、せりふの端々にくすっと笑えるところも多くて楽しい映画です。それから、舞台を旅館にしたのは面白いなと思いました。確かに、旅館だと客のバラエティを増やせるので、個性豊かな登場人物を出せるんですね。
時間はループするけれども、その間に起きた出来事についてはみんな記憶を保持しているため、例えば2人組の客は途中で喧嘩してしまって仲に亀裂が入ってしまいます。また、ミコトが恋心を寄せている従業員と2分間ループデートしたり、ある客が興味本位で死んだりします。死んでも次のターンではまた元に戻るんですよね。記憶は保持されているけど、生命活動はループしたらリセットされるんです。そういうルールのようです。
ループの原因はSF色が強くて、まあループしている時点でSFなわけですが、受け入れられる人とそうでない人がいそうだなとは思いました。私はちょっと、あー、そうきちゃったか、と思った方です。これは好みの問題なので、映画が悪いと言いたいわけではありません。
なぜ私が「あー」と思ったか考えてみました。登場人物たちや場所がリアルで、居そうな感じがあるっていうところで引っかかったのかなと。そこへバリバリSFの原因が来たから戸惑ったのかなと思いますね。手触りとしては『もっと超越した所へ。』にちょっとだけ似ているかな。話は全然違うんですけど、なんとなくね。
