カラオケ行こ!
監督:山下敦弘/2024年/日本
U-NEXTで鑑賞。評判が良かったので観てみました。原作未読。
あらすじ:ヤクザと中学生がカラオケに行きます。
※ネタバレしています。注意書きはありません。
ヤクザの成田狂児(綾野剛)は、のっぴきならない事情があり、歌を歌えるようにならなければいけません。
そこで、中学校の合唱部部長である岡聡実(齋藤潤)に歌を習うため、つきまとい行為をするのでした。
綾野剛いいですね。綾野剛が出ている映画は、『闇金ウシジマくん』のどれか、『ヘルタースケルター』『るろうに剣心』『あぜ道のダンディ』『うさぎドロップ』を観ていますが、1本も観ていないかもと思って調べたらこれだけ出てきただけで、あんまり強い印象に残っていなかったようです。若い頃よりも今のほうが顔つきがいい感じですね。加齢による目の下のたるみとか、おでこのシワとかすごくいいので、このまま歳を重ねていくのかなと思うと楽しみです。歌も基本的にうまいため、本当に下手くそな歌を聞かされて観ているのがツラい、ということはなくてホッとしました。
公開当時、ファンタジーヤクザ問題が勃発していたように記憶していますが、そのころ私はこの映画を観ようというつもりがなかったため、何が問題なのか、他の人の意見を全然ちゃんと読んでいなかったです。「ヒプノシスマイクだったら山田三郎(14歳・中学生)と碧棺左馬刻 (25歳・ヤクザ)がカラオケ行くようなものでしょ」とか思っていました。ヒプノシスマイクのオタクは全員同じことを思ったでしょう。なんならファンアートもすでにあるんじゃないですかね。
実際観てみると、まあ確かにファンタジーというかキレイなヤクザという感じですが、『カサブランカ』を観る中学生もそうそういないと思うので、いいと思います。単純に、リアリティラインが低いだけですよ。そして、リアリティラインは高ければ良いというものでもありません。
リアルさの話をすれば、聡実の親は自分の子供が夜まで外にいることについて言及したほうが良いと思います。彼がヤクザと一緒にいることで、親や学校とひと悶着あっても不思議ではないです。言い出したらきりがないと思うんですよ。狂児が聡実の名前を腕に彫ってしまうのはやりすぎですしね。
もしかすると、リアリティラインの低さに反して家のインテリアや狂児の母親の服装、小物など(聡実の家のダイニングテーブルに置かれたお盆と、おそらくそこに置きっぱなしであろうミカンとか)がかなり現実味を帯びているため、ファンタジーヤクザ描写が気になるのかなと思います。みんながこの描写についてもっと深い話をしていたのだったらすみません。面白かったです。