Winter boy/いつも理由があるわけじゃない

人間ドラマ
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Winter boy

Le lyceen/監督:クリストフ・オノレ/2022年/フランス

マスコミ試写で鑑賞。12月8日(金)よりシネスイッチ銀座、新宿武蔵野館ほか全国順次公開。

あらすじ:父の死と思春期の恋愛。

ネタバレはありません。

クリストフ・オノレ監督が自分自身の少年時代を題材にして描いた半自伝的映画。不勉強なもので、クリストフ・オノレ監督の作品を他には1本も観たことがなく、ざっと調べました。

で、最初に書いておくと、今年、見目麗しい同性愛者の少年を描いた作品が散見され、それに異を唱える人(映画の中でゲイの美しい少年らが死んでいくのが許せない人)も見かけたため、この映画もそういう感じなのか? とは思わないで欲しいなということです。それから、わりとしっかりベッドシーンがあるし喫煙シーンもあるけれども、主人公のリュカを演じたポール・キルヒャーは撮影時20歳くらいで成人しているため、子供に対して(性的)虐待をしているわけではないということも念頭においてほしいなとは思いますね。

17歳のリュカは最愛の父を交通事故で亡くしてしまいます。兄であるカンタン(ヴァンサン・ラコスト)は、リュカを1週間、自分が住んでいるパリへ連れて行くことに。そこで兄の同居人であるリリオ(エルワン・ケポア・ファレ)に出会ったリュカは、彼の優しさに惹かれていくのですが……。

リュカとカンタンは別に仲が悪いわけではないようだけれど、犬みたいに喧嘩するのを見ていると、お互いがいて喧嘩している間は父親の死から目を背けられるんだろうな、とは思います。それって、きょうだいの間でしか成立しないものなんだろうな、とも。ただ一度、父親が関係ないようにみえる喧嘩(というかカンタンの怒り)があって、これがかなり胸を締め付けられるんですよね。リリオが絡んでくることだし、ネタバレになるので書かないけれども。

肉親の死と受け入れられなかった愛を描いた作品で、ともすれば重くなりすぎになりそうなところを、鑑賞後には爽やかな気持ちになれるところが良かったですね。おすすめです。

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