火の鳥 エデンの花/私の故郷、滅びの惑星

SF
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火の鳥 エデンの花

監督:西見祥示郎/2023年/日本

マスコミ試写で鑑賞。公開は2023年11月3日です。手塚治虫の『火の鳥』は学生のころに読み漁りましたが、どれが好きだったかは忘れてしまいました。お母さんが植物になっちゃう話をぼんやり覚えているくらいかな。この映画は『火の鳥 望郷編』が元になっているようす。

あらすじ:辺境の惑星で。

ネタバレはありません。

人は住めるが水のない惑星に降り立ったロミ(宮沢りえ)と恋人のジョージ(窪塚洋介)。厳しい生活が続いたのち、ようやく水を発見したジョージだったが、事故で命を落としてしまう。妊娠していたロミは、無事男の子カインを出産する。「自分が死んだあと、息子は独りぼっちになってしまう」と案じたロミは、コールドスリープに入るが、13年眠るつもりだったのが機械の故障で1300年眠ってしまった。

作画はあんまり手塚治虫の絵に似ておらず(まんがのあの絵が動くわけではないかんじ)、それでもどこかに手塚治虫の雰囲気が残る印象なのがよい。背景なども実に細やかに描かれている。そう言えば、『ブッダ』のアニメ化も10年くらい前にあった(未見だが、ポスターなどを見たとき、「これは”手塚治虫”じゃないな……」と思って観ていない)。

火の鳥 望郷編』がどういう内容だったのかを忘れてしまったため、どれくらい原作に寄っているのかが判然としないが、希望と絶望の物語だなと思う。途中、悲惨なラストを想像していた。それは今年の私が、悲惨な映画を好んで観ているからというのもある。ひとは自分がつらいときに、心をえぐってくるようなものを見ることができないと思っているので、今年の私は調子が良いのだな。おすすめです。

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