シチリア・サマー/あんなに近づいたのに遠くなっていく

ラブロマンス
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シチリア・サマー

Stranizza d’Amuri/監督:ジュゼッペ・フィオレッロ/2022年/イタリア/© 2023 IBLAFILM srl

マスコミ試写で鑑賞。公開は2023年11月23日、新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、シネ・リーブル池袋ほか。実際の事件をもとにした映画です。

最初にちょっと他の映画の話をします。『CLOSE クロース』は公開直後に公式サイトで注意喚起が行われました。
ご鑑賞予定の皆様へ|映画『CLOSE/クロース』オフィシャルサイト
現在(2023年10月9日)、シチリア・サマー』の公式サイトには、少なくとも目立つところにはなにも書かれていませんが、いずれ注意喚起されるだろうと思います。それが良いことだとは私には思えません。

あらすじ:運命の人と出会う。

ネタバレはありません。

1982年、イタリア。ニーノ(ガブリエーレ・ピッツーロ)とジャンニ(サムエーレ・セグレート)は、バイク事故をきっかけとして知り合い、あっという間に友達になる。ジャンニは近所の大人から「ジャンニちゃん」と呼ばれ、悪意をもってからかわれていた。ニーノはそれでもジャンニと遊ぶことをやめず、そしてそれはいつからか恋愛感情に変わるのだが……。

シチリア島の美しい自然のなか、10代のふたりがのびのびと遊ぶようすはとても幸せで、このままふたりで大人になっていくのだろうと思わせるなにかがあった。ところが、ジャンニはこちらが思っている以上に周囲からひどい扱いを受けているとわかる。自分の身を守らなければいけない、そしてジャンニの身も守るため、ニーノは思ってもいないことを口にする。

先日鑑賞した『蟻の王』もイタリアが舞台で、同性愛の話だった。『シチリア・サマー』と『蟻の王』では、物事が起きた時代は20年ほどしか変わらない。イタリアでの同性愛の扱われ方がどういう歴史を持つのか、一度本腰を入れて勉強するのも良いのかもしれない。

ラストが衝撃的で、バツンと終わるので、まったく身構えていなかった私はダメージを受けてしまった。でも、いつも言っているとおり、映画を観てショックを受けることはまったく悪いことではないと思っている。おすすめです。

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