バーバリアン/地下室のヘンなドア

ホラー
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バーバリアン

Barbarian/監督:ザック・クレッガー/2022年/アメリカ

Amazon Prime Videoで鑑賞。おすすめくださった、ちくわ部さんありがとう!

あらすじ:民泊を利用したら、知らない人が先にいました。

※途中の展開までネタバレしています。注意書きはありません。本当はネタバレなしで書きたかったのですが、私にはその技量がありませんでした……。

ちゃんと怖くてとてもおもしろい映画なので、観たいな〜と思った方は、この先を読まずに下のリンクから観てください。Amazonへのリンクなので安心してください。その後でここへ戻ってきてくださいね。また、予告がうまい具合に詳細を避けて作られているので、そちらも併せてどうぞ。
バーバリアン

仕事の面接のためにデトロイトまで来たテス(ジョージナ・キャンベル)は、深夜、泊まる予定の民家に到着します。ところが、その家には先にキース(ビル・スカルスガルド)という先客が居ました。


テスは仕方なくキースのいる家に泊まることに。話してみると、彼は紳士的な男性だとわかります。翌日、テスが家の外へ出ると、昨晩は真っ暗で見えなかった周囲の様子がわかりました。廃墟が並び人気がまったくない、ぞっとするような通りです。

テスがトイレットペーパーを取りに地下室へ行くと、そこには不審なドアがありました。ドアの向こうで恐ろしいものを見たテスは、キースに「すぐこの家を出る」と言います。が、彼は「自分の目で見ないと信じられない」と言って、地下室へ入って行ってしまい……。そこからのシーンは真っ暗ですごく怖かったので、ちょっと音量下げてしまいましたよ。

ところで、AJ(ジャスティン・ロング)はウキウキしながら海沿いの道をオープンカーで走っています。電話がかかってきて、彼は自分が性犯罪で訴えられることを知ります。裁判費用のため自分の家を売らなければならなくなったAJは、デトロイトへやってきました。そう、AJの家は、テスとキースが泊まっている民家なのです。そしてAJも地下室へ入っていき……。

本当に、これは予測不可能な映画でした。AJの次の展開もあるんですが、それは書かないほうが面白いかなと思ったので伏せますね。

紳士的なキースに対し、AJはゴミクズ野郎です。テスとキースがワインを飲みながら話しているとき、テスは「愛と支配を同じだと思っている男」の話をします。テスはどうやら、別れた男(もしくは、これから別れる男)との縁がなかなか切れないようです。キースは「自分に都合の良いように問題を転嫁してくる人間は常にいる」「別の人を探せよ」と言うんですね。至極真っ当な意見だと思いますし、女性だけでなく男性も、相手から都合よく扱われていると感じたら、その人とは離れるべきだと思います。女性が加害者の場合のハラスメントに、声を上げて戦える男性はあまりいません。それはとても良くないことだと思います。ハラスメントの加害者が常に男性だとは限らない、男女関係なく加害者は加害者だし、守られるべきは「あなた」の心と身体です。

また、テスは「女は自分をペットか何かにしてしまう」「男は可能な限り、女をいいように扱う」と言います。モラハラやDVから逃れるのはとても難しいことです。酷い扱いをされているうちに自分の価値を見いだせなくなり、男性にとって従順な女性のようなふるまいをしてしまう。これは私も経験があるのでよくわかります。なにも言えなくなり、頭が空っぽになって、ひたすら謝罪を繰り返したり、相手のプライドを傷つけないよう卑屈になったり。

ジェンダーの話をしているとき、ただ「男も女も平等であれ」と言っているだけなのに、個人攻撃されたと受け取ってしまう男性はいます。私は、そういう男性も被害者だと思っています。悪いのは、男あるいは女ではなく、未熟な社会です。

映画の内容と全然関係のないことを書いているように読めますが、テスとキースの会話は伏線なんですよ。そしてAJの性犯罪も伏線のひとつでした。AJは本当にダメだ。ダメすぎる。どのようにダメなのか詳細を書くと即ネタバレなので、伏せます。おもしろかったです。おすすめよ。

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