劇場版 シルバニアファミリー フレアからのおくりもの/そこは世界一平和な村

アニメーション
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劇場版 シルバニアファミリー フレアからのおくりもの

監督:小中和哉/2023年/日本

マスコミ試写で鑑賞。公開は2023年11月23日です。私が知らなかっただけで今までも映画化されていたのかと一瞬思いましたが、今作が初映画化だそうです。

あらすじ:お母さんの誕生日です。

ネタバレはありません。

シルバニア村で年に一度催される星まつり。うさぎのフレア(声:黒島結菜)は、お母さん(声:渡辺明乃)の誕生日と星まつりの日がかぶっていることに気づきます。家族のみんながお母さんへの誕生日プレゼントを用意している中、何も考えていなかったフレアは村のみんなに相談して周ります。

正直に言いますと、開始2分ほどで「これは大丈夫なのか?!」と思いました。3DCGのクオリティが戸惑うほど低いので。
しかし、あるキャラクターの一言「ボールは手に持っているだけじゃ何も起こらない」が妙に心に来てしまいましたね。哲学的ですらある。

ちょっとねこれは、映画の感想ではなくて、私の話をします。いつものことです。

先日、趣味である球体関節人形とハンドメイドアクセサリーの個展をひらいたんですよ。いらしてくださった方、ありがとうございました。妹が手伝ってくれて、両親も遠いところをわざわざ来てくれたんですが、いろいろありまして父と大喧嘩になってしまったんです。たぶん許し合うのは無理なんじゃないかな。私も家族もみんな傷ついて、本当に最悪な夜でした。私は父に対する怒りがおさまらず母に当たってしまい(父より母のほうが話しやすいので)、どうするかなあ……と困っています。

私は小学生のころ、母の日に、冷蔵庫に貼るマグネットをプレゼントしたんです。野菜の形をしていて可愛かったので。母は「これはあんたがほしいものでしょ」と言いました。それで私は怒って、以来、私と母の間に「母の日」は存在しませんでした。大人になってから母が「母の日に何もプレゼントがもらえない」と言ったため、その時から、母の日と父の日は私、両親の誕生日は妹が、プレゼントを贈ることになっていったわけです。

野菜のマグネットは、母が言うとおり、私がほしいものだった。あの頃の私は幼すぎて、それがわかっていなかった。母は私を傷つける気がなかったのだろうと今は思います。たんに見破っていただけ。それだけ。

この映画ねえ、お母さんへの誕生日プレゼントのことをフレアがずっと考えているんですよ。何をあげたらお母さんが喜ぶか。贈り物を考えるということは、相手のことを深く考えるということだと思っているから、今の私にとってこの映画は本当に泣けて泣けてしかたない。

妹に以前言われたんです。両親のことをいつまでも「自分の親」だと思っていたらいけない、後期高齢者なんだから、って。ようするに親離れをしろ、親を安心させろということです。妹の言うことはすごくわかるけど、いざ親と対面すると甘えが出てしまうみたい。良くないなあ。良くないけど、これもう、ずっとこうなんだろうな。

DAIGOの演技のクオリティが低いとか、アニメーションのレベルがありえないとかありますけど、なんかもう、そういうのは言っても意味がないと思います。少なくとも私にとってはね。たまたま私がこのタイミングで観たので泣いている。歳を取ったから涙もろくなっているというのはありますけど、フレアのお父さんとお母さんの仲の良さとか(私の両親はとても仲が良いので)、私の心のやわらかいところを刺してくる。この映画は子供向けだし、冷めた目で観れば陳腐な話かもしれない。私も今のタイミングでないときに観たら「やべー」って言って終わったかもしれない。でも泣きすぎて顔のいろんなところが腫れてしまいました。ほんと、いつまでも子供のままではいられないのに、私はだめだね……。

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