バニー・レイクは行方不明/なぜ、どうして、なんのために

ミステリー
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バニーレークは行方不明

Bunny Lake is Missing/監督:オットー・プレミンジャー/1966年/アメリカ

友達にずっと勧められていたのをようやく観ることにしました。邦題について、『バニー・レイクは行方不明』と『バニーレークは行方不明』があり、表記ゆれが発生しているので、両方とも書いておきます。

あらすじ:子供が消えます。

ネタバレしています。 本文中、ネタバレの前には注意書きをしています。

アメリカからイギリスに来たばかりのアン(キャロル・リンレイ)は、4歳になる娘バニーを保育園に迎えに行く。ところがバニーの姿はどこにもなく、先生たちも見たことがない、知らないと言う。アンはしびれを切らして、兄であるスティーブン(キア・デュリア)を保育園に呼び出す。2人で園の中を探すもバニーが見つからないため、ニューハウス警部(ローレンス・オリヴィエ)に捜査を依頼する。

アンが家に戻ると、バニーに関する一切のものが消えている。ニューハウス警部は、バニーは最初からいなかったのではないかと考えていた。それどころか、アンが空想上の友達を作っていたのではないかと言う。スティーブンは、たしかにアンが子供の頃にイマジナリーフレンドのバニーを作っており、さらに時が経つと自分の娘だと思いこむようになった、と言い出すのだった。

非協力的な保育園の先生たち、バニーの存在を疑い続ける警部、子供が消えたことなんてどうでもよさそうな上にセクハラしてくる大家。スティーブン以外の誰も自分を信じてくれない状態に陥ってしまったアンは、なんとかしてバニーの存在を証明しようとする。ところが……。

※以下ネタバレを含みます。

これ、オチにびっくりしましたね。ごくごく身近な存在が敵(というか、なんなんだろうね、あの人なんなんだ?? 「精神病」って簡単に片付けたくない気持ちがある)っていうのはすごく怖いな……。まあ要するにスティーブンが鍵なわけです。実の妹であるアンに対する異常とも言える愛情は、スティーブンが子供に返ってしまうことでどんどん露呈していくのね。もう一度しっかり注意して観てみないとわからないけど、スティーブンは子供返りしているとき、瞬きをしていない気がします。

観客の誰もがおそらく「アンは精神病に違いない」と思ってしまうつくりで、その根拠になるのがスティーブンの行動だったりするので、みごとに騙されてしまいました。歴史的なことを調べてから言うべきかもだけど、この映画が撮られた60年代って世界各地で女性解放運動が起きているわけですよね。イギリスがどうだったかはわからないけど、アメリカはそうだったはず。なんかこのあたりもすごく関係しているように思うなあ。面白かったです。

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