ロブスター/恋愛という、他人事

SF
この記事は約2分で読めます。

ロブスター

The Lobster/監督:ヨルゴス・ランティモス/2015年/アイルランド・イギリス・ギリシャ・フランス・オランダ・アメリカ

アマゾンプライムビデオで鑑賞。

あらすじ:恋をしないと動物になります。

ネタバレしています。注意書きはありません。

近未来。独身者は捕獲され、ホテルに運ばれてしまう。そこで45日間のあいだにパートナーを見つけられなければ、動物に姿を変えられることに。独り身のデヴィッド(コリン・ファレル)は、他の者と同じようにホテルへ送られてきた。しばらく暮らすうち、ある女性とカップルになるが、実はデヴィッドの犬を平気で蹴り殺すような女で……。

デヴィッドはすぐにホテルから逃げ、独身者たちが隠れ住む森を見つける。そこでのルールは、恋愛とセックスをしないこと。掟に反する者は罰を与えられるのだった。

恋をすることが重要ではなく、「自分の身を守るために恋をする(あるいは、しない)」、というのが、まるで恋愛感情をコントロールできるかのような表現だなと思って。恋って多分だけど、しようと思ってすることじゃないよね。自分に似た者を選べと言われたからといって、無理やり自分を相手に合わせるべきじゃないし、偽ることも本来なら必要ない。コリン・ファレルはメガネを掛けているんだけど、周囲の人が近視かどうかをやたら気にするんですよ。どうにかして相手と自分を重ね合わせようとする。なにもかもそっくりな人なんていないの、わかっているのに。

物語が終盤に近づくにつれて、森の中に動物が増えていきます。あきらかに森にはいない動物がいたりする。それで、カップルになれなかった人が増えてるんだなとわかるわけです。こういうの好きだな。ラストの感じは少し『籠の中の乙女』(2009年)と似た手触りでした。「そのあとどうなった?!」っていう、ある種のモヤモヤを残したまま終わるの、いいよね。映画を観て持って帰るものが多いと嬉しい。

タイトルとURLをコピーしました