VORTEX ヴォルテックス/私たちは死ぬ

人間ドラマ
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VORTEX ヴォルテックス

Vortex/監督:ギャスパー・ノエ/2021年/フランス
© 2021 RECTANGLE PRODUCTIONS – GOODFELLAS – LES CINEMAS DE LA ZONE – KNM – ARTEMIS PRODUCTIONS – SRAB FILMS – LES FILMS VELVET – KALLOUCHE CINEMA

マスコミ試写で鑑賞。12月8日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開。

あらすじ:心臓病と認知症。

ネタバレはありません。

心臓病を患っている夫と認知症の妻、それぞれの様子をスプリットスクリーン同時進行で描いた作品。冒頭で「心臓の前に脳が壊れるすべての人へ」と出る時点でもう、心が落ち込んでくる。

私たちは必ず死ぬ。いつか、絶対に。どんな人生を歩もうとも、何かを成し遂げようとも、人生は終わるのだ、中途半端に。
人生を満足して全うできる人なんて、ほとんどいないと思っている。また、夫婦だからって最後まで愛し合っているわけではないだろうとも思う。もちろん、寄り添って生きることはできるだろうし、そうあるべきだが、理想でしかない。

私には伴侶がおらず、子もいない。なんならお金もない。親はいつまでも生きていてはくれないし、妹をこれ以上私のせいで苦労させたくもない。人には理想の死に様があるだろう。私はとにかく、ひとりで静かに死にたいが、まだ、今じゃないと思っている。消費しつづける日々をいつか懐かしく思うときが来るかもしれない。あるいは、今から寝て、もう起きないか。どっちでも一緒だ。人生なんて。

今年はしんどい映画で良いものが多いと思う。年末にベストテン出すから何本くらいそういう映画があったかわかるけど、しんどい映画を観られるメンタルって、健康なんだろう。自分が落ち込んでいるときに、しんどい映画は観られないからね。

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