青春18×2 君へと続く道
原題/監督:藤井道人/2024年/日本・台湾合作
マスコミ試写で鑑賞。公開は2024年5月3日です。
あらすじ:台湾で出会って、東京へ来ました。
※ネタバレはありません。
18年前、台南。カラオケ屋でバイトをしていたジミー(シュー・グァンハン)は、バックパッカーのアミ(清原果耶)と知り合います。
少し日本語が話せるジミーはアミとだんだん距離を縮めていきます。お互いが惹かれ合っていることをうすうす認識しながらも、付かず離れずの距離を保っていたふたり。ところがある日、アミは突然、日本へ帰ってしまいました。
ジミー36歳の現在。夢中でやってきた仕事でつまづき、人生を見失ったジミーは、アミとの約束を果たすために日本へと旅立ちます。アミに思いを馳せ、彼女の故郷である福島を訪ねるジミーでしたが……。
明確な時代設定がなされていないので、アミのふるさとが福島という設定であるとわかったとき、もしかして震災映画なのかなと思いました。が、とくに震災のことには触れられなかったので、なんでしょう、雪景色の絵が欲しかったのかな。台南って確か雪は降らないんですよね。ご当地映画的な側面はあるかなと思います。台湾と日本の観光地に行ったりするので。
また会おうと言っていたのに、二度と会わなくなった人はいますか。
その人が、今どこで何をしているのか、思いを巡らせたことはありますか。
会おうと思えば、会える人ですか。それとも、会おうとも思わないですか。
その人と再会して、自分の美化した思い出との乖離を感じ、軽く落胆したことはありますか。
恋愛が始まる前の、そわそわしてわくわくして、勝手に思いをつのらせて、夜中にひとりで泣いたりした、一番楽しかった時期のことを覚えていますか。私はいつも、恋愛はパフェのようなものだと言っています。クリームにいちごなどのフルーツがきれいに盛り付けられているてっぺんのところは、恋愛が始まる直前の状態だと思っています。眺めているだけで美しく楽しいもの、食べれば甘いことがわかっているもの。でも、いざスプーンを手にとって食べ始めると、きれいな部分はあっという間に過ぎ去ってしまいます。食べ進むにつれ容器は狭くなり、スポンジやコーンフレークがごちゃまぜになって、味にも飽きてきたりします。
この映画は、パフェのてっぺんのところを美しく描いているなと思います。そして、真実を告げることが、いつも誠実であるとは限らないのだな、とも。こんなことを言ったら相手が傷つくかもしれない、という思いやりから出た嘘の言葉が、それが嘘であるという理由ではなく、相手を傷つけてしまうことは良くあるんじゃないでしょうか。
どうせ傷つくなら真実を知りたいですか? それとも、多少傷ついても構わないから、きれいな嘘を言ってほしいですか?