リズと青い鳥
監督:山田尚子/2018年/日本
U-NEXTで鑑賞。年末に急に思いついた企画「あなたのおすすめ映画、観てレビューします!」です。配信(Amazon Prime Video、U-NEXT)にある映画の中で、「(私の)レビューを読んでみたいな……」とみなさんが思う映画を募って、観て、感想を書くという企画です。
第6弾『リズと青い鳥』は、マウンテンサイクルさん(@roadwide)からのリクエストです。初見です。これスピンオフなんですね。元を知らないけれど大丈夫かな?
あらすじ:吹奏楽部。
※ネタバレしています。注意書きはありません。
高校の吹奏楽部でオーボエを担当する鎧塚みぞれと、フルートを担当する傘木希美はコンクールに向けて練習をする日々を送っていた。コンクールの自由曲である『リズと青い鳥』は、オーボエとフルートが掛け合うソロパートがあるが、みぞれと希美はなぜかうまく噛み合わなくて……。
果てしなく美しく儚いであろうピュアな魂に触れてしまって私は自分の醜さに耐えきれそうにないです。
私のような人間がこんな澄み切った作品と関わりを持ったらいけない気がします。
とにもかくにも絵がきれい、水彩画風の背景がきれいですね。絵の美しさってずっと観ていると慣れてしまうこともあるけれど、この作品は絵本パートと現実パートに分かれていて作画が変わるので、飽きることなく観られるように作ってあるのかなと思いました。現実パートの人物のハイライトと影の付け方が結構あっさりしているのと(瞳の中はうるうるしてますが)、色が全体的にほんの少しくすんでいるように見えて、なんて言ったら良いかわからないけれども、背景に馴染むなあ、と感じました。アニメーションは実写と違って「偶然」がなく、ぜんぶコントロールできるところが良いです。
思ったことを書いても良いものなのかちょっと逡巡しました、怒らないで読んでほしいんですけど、みぞれは最初、体調が悪い人なのかと……ごめんなさい。
部長に音大を受けるかどうかの話をされたとき、みぞれが言った「希美が決めたことが、私の決めたこと」というせりふにびっくりしました。びっくりしていたところ、みぞれのオーボエについて意見する下級生が来て、この子は全然悪意とかないしみぞれが傷つくのを望んではいないっていうことはわかるけど、素直な言葉はときに人を深く傷つけることもあるから、言い方にちょっと気をつけられるように出来たら良いね。
相手の気持ちがわからなくてすれ違ってしまう恋人どうしの話だと思って、愛し合っているのなら一緒にいたら良いじゃない、と物事を単純化しようとしたんだけれど、それって大人の発想なんですよね。彼女たちはまだまだ子供で、ゆらぎのある年頃だということを忘れてはいけないのでしょう。本当に私は汚れている。鳥って卵から生まれたとき一番最初に目にするものを親だと思うじゃないですか、みぞれはそれなんだろうなと思います。
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