RRR/現代エンターテイメント映画の最高峰来たね!

アクション
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RRR

RRR/監督:S・S・ラージャマウリ/2022年/インド

新宿ピカデリー スクリーン8 F-16で鑑賞。ポスターは英語版のものより日本版のもののほうがかっこいいのでこっちを貼りました。

あらすじ:部族の娘を助けに行きます。

ネタバレしています。注意書きはありません。

お話としては、イギリス人に部族の娘がさらわれてしまうので助けに行きます、たまたま出会った青年(ラーム・チャラン)と仲良くなって友情を育みます、ところがその青年はイギリス人に飼われている(表現よ)警察で……というかんじ。ややこしいところも特にないから、一瞬一瞬映っているものを受け止めていれば大丈夫という親切設計。あと、私は言語に関する能力がまったくないのだが、今作の英語はたいへんわかりやすかったですね。


いやーめちゃくちゃ良かったですね。良いとは知ってました。長いのも知ってました。長いの知っていたので尻込みしていましたが、賞をとったと知り、いそいそとチケット取ったわけです。ちょろいね。上のツイート、インターバルじゃなくてインターミッションですね……。インターミッション前の盛り上がるところ、予告にもあるかな、トラックからトラや狼と一緒に松明持った主人公(N・T・ラーマ・ラオ・Jr.)がスローモーションで飛び降りてくるところのアガリ具合が素晴らしかった。アガるシーンは山ほどあって、ばしばし決めてくるから圧倒されますね。絵コンテ見たいなあ。

それから、ナートゥナートゥ、めちゃくちゃ良かった! 賞をとっただけのことはあると思います。消えるかもだけど貼っておきましょ。


背筋と下半身が実につよい。体幹鍛えてるね。TikTokで「naatu naatu dance」で検索すると再現動画いっぱい出てくる。


映画観ながら「これはみんなTikTokで真似するだろうな」と思っていました。で、素人の再現でも多少はダンスができているわけ。映画の方は、プロだからさ。動ける人ってほんとに動けるんだよなあ。人のちからを信じたい時が多くあって、ガチでやってますよというのに弱いのです。とはいえ、あとにも書きますが、CGのちからもすごいと思っています。去年NHKかなんかでモーションアクターの特集をやっていたから観たわけです、そうしたら『艦隊これくしょん』の女の子たちの動きって、1人のモーションアクターが全キャラクター担当していて。すごいなと思うと同時に、ゲームのキャラクターの動きを「人がやっている」っていうことを知らなかったから、そういう意味でも驚いたんですよ。


私は「ツッコミどころ」という言葉が本当に嫌いで、なんでちょっと上から目線なの? って思っちゃう。そうじゃないのかもだけど、わからないからね。受け取り方の問題よ。私は好きじゃないし、「ツッコミどころ」って言っている人には良い印象を持てないよというだけのことです。誰もボケてねえわ。


グレイテスト・ショーマン』(2017年)は、観て、ここらあたりがCGかな? って思っていると、思いもよらないところにCGが使われているのでびっくりします(後ろにいる人がこぼすコインがCGだったりする。そこは別に実際にこぼしたとて何の支障もないだろう、という)。

で、『RRR』のことはまだ調べていないのだけれど、人がいっぱい出ているところとか多分ぜんぶ人でしょ。多分だよ。わかんない。序盤で橋を間にして2人が振り子みたいになるところ、実際にやっているという情報をえていたので、余計に「これは、どこもかしこもマジでやっとるな」と思ったというのもあります。いつも言っていますが、CGは魔法ではないので、なにもかもが簡単に出来るわけじゃないんだよね。さきに書いた艦これの件もそう。最終的にCGで仕上げるにせよ、もとの動きは人が実際にやったほうが効率がよかろうという話でさ。動物はCGであってほしいが……(馬とか、なかなかにひどい目に遭っているから)。


人の命と愛の物語で、侵略についても描いているので、重いですよ。ラーム・チャランの過去も激重だし。人生があるね。人物の掘り下げがしっかりしている。土台が頑丈なの。ぱっと見、ふざけているように見えたとしても、だよ。ツッコミどころとか言っている場合じゃないよ(まだ言う)。ツッコミどころ問題については以下も参考程度に載せておきます。


先輩の言葉は文脈的に「あんなふざけた映画なのに真面目に感想書くなんて」という感じだったのね。実際に映画の制作に携わっている人でさえ、このような発言があるということについて、がっかり感があった。なんかもっと他国の文化や他人の制作物に敬意を払おうよ。

映画を撮るということはとても大変で、ましてやアクションありダンスあり拷問ありの今作については、はらんでいるテーマの重さも含めてひたすら頭を垂れるというか、頭を垂れるというのは表現としておかしいか、ともかく、参りました。軽く消費できそうに思えて実のところそうではない感じも大いにありますしね。映画館から持ち帰るものが多い。なぜ今、あえてイギリスとインドの関係についてをやるのか、とかさ。なにかしらの想いがあるんだっていうことははっきりと感じるじゃないですか。そういう強い想いを、観客に受け入れられやすい軽快なタッチで描いているうえ、きちっと世界に向けて売れるものとして作っている、というのは尊敬に値すると思うのです。

映画を観るためにカロリーを使いすぎ、ふらふらになりながら帰路につきました。途中、コンビニでおにぎりを買い、人気のない路地で食べて、でも胃に到達していないっぽかったからお茶で流し込んでようやく帰るぶんのエネルギーが補給できた感じでしたね。体感時間5分くらいだよ! って言っている人を見ましたが、私は体感3時間きっちりあったのでした。話題になる映画は観ておいたほうが絶対によいのだなと思った次第です。

コメント

  1. 🐅 より:

    素敵な記事ですね!
    マッリはビームの妹ではなく、ビーム=部族の羊飼い、マッリ=部族の娘ではないかと!失礼いたしました。

  2. masa44 より:

    どこでみた記事か忘れましたが
    主演のどちらかが
    「ダンス大変だったでしょう?」
    とのインタビューに
    「ダンスは踊っていて楽しいから
    大変だと思わなかった」
    的な感想を話してたのをみた記憶があります。
    勘違いでしたらすいません。

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