アウシュヴィッツの生還者
The Survivor/監督:バリー・レヴィンソン/2021年/カナダ・ハンガリー・アメリカ合作
マスコミ試写で鑑賞。公開は2023年8月11日です。今年ナチスもの何本観たんだろう。
あらすじ:強制収容所でボクサーでした。
※ネタバレはありません。
実話ベースの映画です。かんたんに言うと、強制収容所にいたときにボクシングをやらないかと言われ、やったら、強かった。というかんじですね。かんたんすぎる。もうちょっと書きます。
1949年アメリカ。ユダヤ人のハリー・ハフト(ベン・フォスター)は、ボクサーとして活躍していた。その一方で、生き別れた恋人レアを探している。ときおり、ボクシングの練習中などにフラッシュバックを起こしたりしているあたり、強制収容所での経験が彼の心を蝕んでいることがわかる。そのうち、直感的にレアが亡くなっていることを察知したハリーは、別の女性と深い関係になっていった。
深刻な心的外傷後ストレス障害に悩まされているようすが続くこと、フラッシュバックの内容が凄惨すぎること。レア以外の女性と良い仲になっても、なにもできないほどに彼の心は病んでいる。私たちは映画や本などからしか収容所について知ることができない。ハリーが抱えている秘密――それは誰にも言えないことだった――が、それまでに描かれたあらゆる出来事よりもずっと、彼の心の中に棲み着き、平和なはずの生活を脅かしている。
ラスト付近はメッセージ性が強く出ているけれど、この内容だったらそういうふうにするほかにないのかなとも思う。ひたすらにしんどい映画でした。おすすめです。
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