あなたのおすすめ映画、観てレビューします!第10弾『パーム・スプリングス』

SF
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パーム・スプリングス

Palm Springs/監督:マックス・バーバコウ/2020年/アメリカ・香港合作

Amazon Prime Videoで鑑賞。年末に急に思いついた企画「あなたのおすすめ映画、観てレビューします!」です。配信(Amazon Prime Video、U-NEXT)にある映画の中で、「(私の)レビューを読んでみたいな……」とみなさんが思う映画を募って、観て、感想を書くという企画です。

第10弾『パーム・スプリングス』は、藤渡和聡さん(@mototanthosya)からのリクエストです。初見です。

あらすじ:1日を繰り返す。

ネタバレしています。注意書きはありません。

パーム・スプリングスで行われる結婚式に出席したナイルズ(アンディ・サムバーグ)と、花嫁の介添人であるサラ(クリスティン・ミリオティ)は、初対面で屋外セックスしようとする。すると突然、物陰から武装した老人ロイ(J・K・シモンズ)が現れ、ナイルズに矢を放つ。


タイムループものですね。寝るとリセットされて最初に戻ります。ナイルズは何回くらい繰り返しているのかわかりませんが、きっと自分でもわからないくらいループしているものと思われます。砂漠には洞窟があり、そこへ入ってもループするようす。ロイがナイルズを追うのは、おそらくナイルズがループを始めたばかりの頃からになります。ふたりでドラッグをやって楽しくなって洞窟へ行ってしまったのです。ロイはループする人生が好きになれず、ナイルズに復讐しようとあの手この手でナイルズを痛めつけようとするのでした。基本設定は以上になります。

どうせ何度もループするのだから、とばかりに、ナイルズとサラは好き勝手にやりはじめました。一日中プールでだらだらしたり、セスナかな、飛行機に勝手に乗って墜落したり(痛みはあるけれど、死ぬことは出来ないみたい)、結婚式をわざとぶち壊したり、地元の住民が集まるバーでふざけまくったり。彼らは「どうせ毎日会うんだから、複雑になるようなことはやめよう」と言って、セックスはしないことにしています。賢明ですね。

ふたりは相性がよいようです。毎日会っていろいろな話をしたり遊んだりするうちに、ふたりの距離はどんどん縮まっていきました。もし彼らが、元々はそんなに相性のいいタイプじゃなかったとしても、これだけ会っていれば仲良くもなるだろうし(喧嘩した回もあったかもしれませんが、ナイルズがループに慣れているので、なんとでもなったんでしょう)、事情を知っているのがお互いとロイだけという状態なので、一緒にいるしかできないんですね。

ところが、ある回で、サラから誘ってセックスしちゃうんですよ。あーあ。良くないよ……。

ナイルズは、自分がサラを愛していることに気づきます。ループの中だったら彼女とずっと一緒にいられるから、と、元の世界に戻る気がなくなりました。一方サラは、ナイルズに何も言わないまま、彼のもとから去ってしまいます。

だんだんナイルズがとても幼稚なように思えてきて。でも、好きな人とずーっと一緒にいられて、年を取らないし仕事もする必要もない、そんな世界で遊んでいたい気持ちはわかるんですよ。いろいろあって再会できたサラに、ナイルズはいかに自分が彼女を愛しているかを語ります。サラはちょっと困惑したような、残念なような表情で、ナイルズに言います。「今はふたりきりだけれど、元の世界でも私を愛するのか。何億という人たちがいる、その中から本当にまた私を選ぶのか」と。この問いに、イエスと言うのはかんたんです。言葉なんてなんとでもなります。「何の責任も取らないけど、欲しい言葉くれる人」っていうネタ動画がTikTokにあって、なんだかそれを思い出しましたね。表情豊さん(@hyp39)という方がやってらっしゃいます。

話がちょっとそれちゃいましたね。サラは言葉ではなく行動でナイルズへの愛を示します。その行動は、「尻軽のバカ」と家族からも周囲の人たちからも思われていたサラの姿からは想像もできませんでした。なんなら、観客も彼女のことをバカだと思っていたのではないでしょうか。「女の子はちょっとバカな方がちょうどいい」という雰囲気ってずっとあったと思います。これは男女問わずで、バカを演じたほうが生きやすい女性(若い人に多いように思います)もいると思います。

もちろん、勉強ができるからといって頭が良いとは限らないし、私に学歴コンプレックスと数学への深刻な苦手意識があるからこういうふうに思っちゃうのかもしれないですが。現状を打破するために「学ぶこと」を選ぶ生き方を見習っていきたいなと思いましたね。おすすめです。

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