あなたのおすすめ映画、観てレビューします!第5弾『Saltburn』

サスペンス
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Saltburn

監督:エメラルド・フェネル/2023年/アメリカ・イギリス合作

Amazon Prime Videoで鑑賞。年末に急に思いついた企画「あなたのおすすめ映画、観てレビューします!」です。配信(Amazon Prime Video、U-NEXT)にある映画の中で、「(私の)レビューを読んでみたいな……」とみなさんが思う映画を募って、観て、感想を書くという企画です。

第5弾『Saltburn』は、Dusaさん(@hadesdusa)からのリクエストです。FF外の方なので最初は無視しようと思ったんですけど、なんかヤバい映画っぽかったのとバリー・コーガン主演だったので観ました。2023年12月22日に配信が始まったばかりなんですね。

この映画を観る前に2023年の年間ベストを決めちゃったのは失敗でした。めっちゃくちゃ面白い! みんな、いますぐ観たほうがいい! って、偉そうに書いてしまってすみません。でも観て欲しい〜! 超きもちわるい! 本当これ年間ベストに入ったよなぁ、でも今更ランキング変えたってなんの意味もないんで、ベストテン書き換えるのは無しにしておきます。
※やっぱり書き換えました。
2023年新作映画ベスト10&劇場鑑賞映画ベスト10 | * FRAGILE

あらすじ:スパダリの実家に行く。

ネタバレしています。ネタバレの前には注意書きをしています。

2006年。オックスフォード大学に入学したオリヴァー(バリー・コーガン)は、なかなか友達が出来ず苦労していた。ある日、自転車が壊れて困っているフェリックス(ジェイコブ・エロルディ)を助けたことで縁ができる。


映画が始まってまっさきに思ったのは、バリー・コーガン、さすがに30代で大学生役は無理があるのでは、トーマス・ブロディ=サングスターならわかるけど……と、いきなり無関係な人を挙げてすいません。思ったものはしょうがない。仕切り直します。

一方的でちょっと気持ち悪い眼鏡の人から友達認定され若干迷惑に思っていたオリヴァーは、人気者である上にめちゃくちゃ優しいフェリックスとあっという間に仲良くなります。フェリックスは、かっこいいし背が高いし、家がお金持ちだし細やかな気づかいが出来るうえ、すさんだ家庭で育ったオリヴァーのことを理解してくれようとまでする人です。スパダリって、言葉だけ知っていたけど、こういう人のことを言うんだね。これを読むであろう私の母のために書いておくと、スパダリ=スーパーダーリンです。もとはBL用語らしい。

フェリックスは他の人たちにも当然のように優しくて、ゆえに女の子にもモテます。世の中の人たちが苦労して手に入れるものを生まれたときから持っているような人ですね。フェリックスの周りの女の子たちはオリヴァーのことがあんまり好きじゃない、というかどちらかというと嫌いで、彼をすっごい見下しているんですよ。めちゃくちゃ感じ悪いの。でも、女の子たちがオリヴァーを避けていることを知ってしまっても、フェリックスのオリヴァーに対する態度は全然変わらない。こんな人、好きになっちゃうよ……ね……。バリー・コーガンジェイコブ・エロルディの身長差が約20センチあるの、めっちゃいいな(これはただの私の癖(ヘキ)です)。

フェリックスから、彼の実家(ソルトバーン)へ遊びに来ないかと誘われたオリヴァーは、家庭環境が違いすぎることもあって最初は遠慮します。けどまあ行くよね。フェリックスの屋敷はほとんど城で、その豪華さは筆舌に尽くしがたい(これって便利な言葉ですね、詳細書かなくて良いんだもん)ほどでした。が、フェリックスの母(ロザムンド・パイク)を始め、使用人から他の客まで全員がクッッッソ感じ悪いんですよ。悪口ばっかり言ってるし。フェリックスからソルトバーンの話が出たときに、なんとなくそうじゃないのかなーって思ってたけど……。金持ちを感じ悪く描く創作物って多いからね。

※以下ネタバレを含みます。大オチのネタバレはありません。

さて。中盤に問題のシーンが2つあって、それがめっちゃ気持ち悪いんです。性的な描写なんだけど、男から見ても女から見ても気持ち悪いって受け取るはず。あの2つのシーンを気持ち悪いと思わない人は、オリヴァーと同じ性癖をもつってことでしょうか? 本当に申し訳ないけれど、不潔なのですぐやめましょうね。

最初に「バリー・コーガン、さすがに30代で大学生役は無理がある」って書きましたが、こんな気持ち悪くて複雑な役を演じられるのってバリー・コーガンくらいしか居ないのかも。ソルトバーンにいるオリヴァーは大学でのオリヴァーとまったく違う人物に見え、案外したたかなんだな、というのも徐々にわかってきます。実は人心掌握術に長けていて、あれだけウザかったフェリックスの母からの信頼をあっさり得てしまうのね。彼女の心をつかんだあと、オリヴァーはゆっくりとソルトバーンを乗っ取って行くわけです。実に見事でした。こんなに悪意にあふれた人間がいて良いのか? と思うくらいにオリヴァーのやり口は汚いです。なんかこの人おかしいなあ、と思い始めたときは、ただの虚言癖かと思っていましたが、そんな可愛いものじゃなかったですね。

一方で、フェリックスの印象はずっと変わらないままです。彼は本当は嫌な奴だった、みたいな展開になると思って観ていたのですが、ないですね。まったくない。むしろ、めちゃくちゃかわいそう。いやあ、パッケージと中身がだいぶ違う映画で、すごく面白かったです。フェリックスの家族のいびつさとか、オリヴァーの真意についてとか、色々あとになってからじっくり考えそうです。おすすめ! ここまで読んでくださった方はすでに鑑賞済みなんだろうなとは思います。でも書いちゃう。おすすめです。

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