FEAST – 狂宴 -/肥えた豚と痩せた野良猫

人間ドラマ
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FEAST – 狂宴 –

Apag/監督:ブリランテ・メンドーサ/2022年/香港

マスコミ試写で鑑賞。公開は2024年3月1日です。

あらすじ:ひき逃げをして服役する。

ネタバレはありません。

フィリピンの田舎町。不注意から交通死亡事故を起こしてしまった息子ラファエル(ココ・マルティン)をかばい、服役することになった父アルフレッドは、刑期を終えて出所します。ちなみに賠償金が10万ペソで、日本円でいくらなのか調べたら約25万円でした。安すぎませんか? それだけ物価が日本と違うっていうことなのかな……。それから、監督はフィリピン人で俳優もフィリピン人、舞台もフィリピンですが、これ香港映画なんですよね。


レストランが舞台なので、フィリピンの料理がいろいろテーブルに並んでいたり、味の想像がつかないフルーツが出てきたりして、食事まわりは観ていて楽しいです。食べることって生きることと同じだと思うので、このストーリーで舞台がレストランというのは大変納得がいきました。

加害者の家族は一族で高級レストランを営んでおり、被害者家族は貧しい暮らしをしています。そして、いっさい説明がなかったため面食らったのですが、加害者家族が被害者家族を従業員として雇い入れています。最初から雇っていたのでなく、事故の裁判が終わってから雇っているんです。え!?

加害者の母エリーゼは、被害者の妻ニータに、服役している夫アルフレッドがどれだけ自分を愛してくれているかを語ります。それちょっと良くないんじゃないかな? と思っていたら案の定、ニータはめちゃくちゃ微妙な表情をしていました。そりゃそうだ……。無神経にもほどがあるのでは……。面食らった展開はもうひとつあって、ラファエルの別れた妻シェリーが、新しい夫マルコと娘のアデリーヌを連れてレストランまで来るんです。んん?? アデリーヌがラファエルの娘なので連れてきたんだとは思います。でも気まずくないですか? 文化の違いかもしれませんが、だとしても気まずいものは気まずいでしょう……。

その他にも、小さなことから大きなことまで、加害者家族が他人に対してたいへん無神経な人びとであるという描写が続きます。加害者家族は自分たちが無神経である自覚もなさそうだし、事故とはいえ人が亡くなったことに対して軽く考えているように思えるんですね。服役したし、教会行ったし、お金払ったし、お墓に花を飾ったし、なんなら被害者家族を貧乏な生活から救ったとすら思っているのでは? という妄想がはかどってしまいました。そんなだから事故ったときに逃げるんだよ。

エンドロールが始まった瞬間に、デカめの「え?!」が出ました。描くべきところはすべて描いていると思いますが、終わり方すごいんですよ。それで、エンドロール中にいろいろ考えてしまいますね。これはやられたな〜。

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