ダム・マネー ウォール街を狙え!/SNSなめんな!

コメディ
この記事は約3分で読めます。

ダム・マネー ウォール街を狙え!

Dumb Money/監督:クレイグ・ギレスピー/2023年/アメリカ/© 2023, BBP Antisocial, LLC. All rights reserved.

マスコミ試写で鑑賞。2024年2月2日(金)TOHOシネマズ日比谷他全国ロードショー。実話です。
私は昔、証券会社を転々としていたくせに、web担当で金融の知識がいらなかったため、専門的なことはなんにもわかりません。いま思うともったいないことをしたなあ、知識があれば、もっといろいろな映画を楽しめたかもしれないのに……。

あらすじ:倒産寸前のゲーム会社の株を買う。

ネタバレはありません。

2020年。会社員のキース・ギル(ポール・ダノ)は、誰も見向きもしないゲームストップ社の株に全財産5万ドルを突っ込んでいました。キースは、赤いハチマキと変な猫のTシャツを着て「ローリング・キティ」と名乗り、YouTuberとして活動もしています。そして、ゲームストップ株が過小評価されていると訴えつづけていました。

この映画も、最近はやりの「金持ちVS貧乏人映画」ですね。この流行はしばらく続きそうだなと思います。


序盤から専門用語が飛び交い、登場人物たちを次々と紹介していきます。彼らが言うことをひとつずつ理解していこうとしたものの、パンツに1分間手を入れるゲームをやっているシーンでやめました。さて。ゲームストップ株を空売りして儲けている人たちもいます。映画の中でざっくり説明がありますが、空売りとは「株価が下がると利益が出る仕組み」です。金持ちたちは小口投資家をバカにし、食い物にしていました。

映画の中盤からニュースのシーンがあり、そこで、今なにが起きているのかをわかりやすく説明してくれるため、いっそ前半は登場人物たちの顔と名前と立場を覚えるためだけに使っちゃってもいいかなと思います。

SNSの力でゲームストップ株は高騰し、キースや彼を信じているRedditユーザーはどんどん利益を出していきます。一方で、空売り連中は10億以上の損失を出し倒産寸前でした。

キースや彼の信者たちは、身近な人から「そんなに儲かったなら、もういいから換金すれば?」と言われまくります。周りの人びとは素人ばかりです。持っている株の価値がどんどん上がっていき、嬉しい反面どこか怖くなる、損を出す前に全部売った方がいいのでは、と思うのは、素直な反応かもしれませんね。今は良くても、いつ、また下落するかわからないですから。

そして、ゲームストップ株が高騰していくなか、ある出来事が起きてしまいます。

キースは貧しい人びとを先導した人物で、みんなが彼と同じ行動を取るんです。どれだけ信者がたくさんいても、彼らが身銭を切ってまで自分を信じてくれる、などということは滅多にないと思います。日本のSNSとアメリカのSNSでは趣が異なるとは思いますが。ただでさえ貧乏な自分が大損をするかもしれないのに、直接会ったこともないキースを信じて大切なお金を賭ける。キースの魅力とは、どこにあったのでしょう。想像でしかありませんが、キースがバカっぽく振る舞いながらも誠実であることを忘れなかったところ、かもしれません。あともうひとつは、ネコです。ネット民はネコ好き多いですから。

この映画は株の知識がなくてもじゅうぶん楽しく観られますが、知識があって損することはないので、可能な範囲で株の知識をつけてから観たほうがいいかもしれません。ネタバレを含みますが、下に貼ったリンクがゲームストップ事件を細かくわかりやすく説明してくれているので、おすすめします。
個人投資家の逆襲:個人がヘッジファンドを潰したゲームストップ事件とは | 富裕層向け資産運用のすべて

コメント

タイトルとURLをコピーしました