ブラックボックス:音声分析捜査/あの空で何が起きたのか

サスペンス
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ブラックボックス:音声分析捜査

Boite noire/監督:ヤン・ゴズラン/2021年/フランス

Amazon Prime Videoで鑑賞。私の周りで一番たくさん映画を観ている、みむさんがおすすめしてくれたから観ました。

あらすじ:飛行機が墜落します。

ネタバレはありません。でも、勘のいい人だと結末がわかってしまうかもなので、一応注意書きを入れます。

ヨーロピアン航空の最新型機がアルプスで墜落し、音声分析官マチュー(ピエール・ニネ)が捜査を進めるのだが……というお話。
ブラックボックスには謎の男の声が入っており、乗客名簿にイスラム過激派の男がいたため、この事故はおそらくテロだろうということになります。マチューは非常に優秀なのですが、頑固なところがあって周囲になんとなく嫌われてるんですよね。なんだか人を苛つかせてしまうみたい。妻のノエミ(ルー・ドゥ・ラージュ)もちょっとイライラしているんですよ。仲はいいんですけどね。仕事が絡むとね、っていうかんじ。

マチューは捜査を進めるうちに、ある一線を超えてしまいます。映画の登場人物が一線を超えるところ、なんでもいいんですが、殺人でもいいし結ばれてはいけない人と結ばれようとするのでもいい、とにかく、超えていくのを観るのってすごく面白いですよね。実際に起きたら困るけれど、映画の中だったら面白い。こういうのが映画の醍醐味のひとつでもあると思います。

そしてマチューは、あらゆる人に対して疑心暗鬼になっていきます。この、何もかもが崩壊していくようすがたまらない。彼はある意味で事故に魅入られてしまっているんですね。もともとそんなに健康的な感じじゃないのに、どんどん具合が悪くなっていくわけ。私、映画の中で具合が悪い人好きでさ。『レクイエム・フォー・ドリーム』(2000年)のジャレッド・レトエレン・バースティンとか、『救命士』(1999年)のニコラス・ケイジとか。

物語は二転三転して先の読めない展開を見せるし、マチューは具合悪いし、音楽がソワソワさせてくるし、一瞬マジでびっくりするところとかあるし、この映画本当に邦題で損をしていると思う……。おすすめです! めちゃくちゃ意外なラストが待っています。ぜひ観てみてほしいです。

※以下、微妙にネタバレっぽい雰囲気のことを書いています。勘のいい人にはわかってしまうかも。

それぞれのキャラクターはしっかり立っていて、でも彼らにはっきりとした結論を出してあげないというか、事の顛末をわざわざ説明しない、っていうのが、あんまりこういうのないかなと思いますね。あと、正義が常に勝つわけではないというところも珍しいと思います。とにかくラストよ。えっ?! ってなるよ!

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