The Death of “Superman Lives”: What Happened?(原題)/ティム・バートンとニコラス・ケイジの『スーパーマン』に何が起きたのか

ドキュメンタリー、モキュメンタリー
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The Death of “Superman Lives”: What Happened?

The Death of “Superman Lives”: What Happened?/監督:ジョン・シュネップ/2015年/アメリカ

こちらの記事は、The Death of “Superman Lives”: What Happened?(原題)/ティム・バートンとニコラス・ケイジの『スーパーマン』に何が起きたのか | 映画感想 * FRAGILEを一部修正し転載したものです。

2015年、友人にBlu-rayを借りて鑑賞。現状、この映画を見る方法は、出資者から借りる以外にはないと思います。洋盤Blu-rayも発売はされていません(※)。
出資者を募っているのは知っていましたが、少し悩んでやめてしまったんですね。Blu-rayつきが確か50ドルでした。払っておけば良かったと切に思います。
ティム・バートンマニアの方が日本公開に向けて活動されているようです。

※2015年時点での状況なので、2023年の今とは違うかもしれません。日本では観られませんがAmazonで配信があるようです。

あらすじ:ティムとニックの『スーパーマン』は、どうなるはずだったのか。

ネタバレしています。注意書きはありません。内容が足りていないので、これを読んだだけでは全部はわからないです。

海外サイトを周れば、具体的に記述してあるところも見つかると思います。今回私は調べずに書きますので、間違い、勘違いなども、かなりあるかと思います。不十分で申し訳ないです。日本公開もしくはソフト化を待ちましょう……。ドキュメンタリー映画としての完成度は高いと思います。
内容がわからなかった理由はいくつかありまして、人がずっと話していること。オーディオコメンタリーを想像していただけるとわかりやすいかな。早口で聞き取れない&字幕があっという間に流れていってしまう。固有名詞が多いし、わからない単語も多いので、なかなかついていけませんでした。
アメコミファンの方ならわかるんだと思いますが、原作のストーリーにも言及されます、クリストファー・リーヴの『スーパーマン』(1978年)と『マン・オブ・スティール』(2013年)しか(当時)知らないわたしには難しかったです。

ネットに流れている半目のニコラス・ケイジ写真が印象をすごく悪くしているなと思います。その点についても言及されていました。完成形を見たくなります。

ニコラス・ケイジはフッテージのみの出演です。ニコラス・ケイジが話している字幕にかぶって他の人が話している字幕も出るため難易度が高かったですね。ニコラス・ケイジは終始楽しそうで、ティム・バートンもスタッフも真剣に取り組んでいました。それって当たり前のことではあるんですが、ニコラス・ケイジのスーパーマン、をおちょくっているような話をネットで見ると、悲しくなっちゃうんですよ。
このドキュメンタリーを見ると、私が悲しくなっちゃう理由が、もっとわかると思います。

最初に、コミコンでスーパーマンのコスプレをしている人たちに「ニコラス・ケイジのスーパーマンについてどう思う?」というインタビュー。「ニコラス・ケイジはいい役者だけど……」みたいな反応が多め。
構成としては、このあと脚本家やスタッフ、プロデューサーのインタビュー、ティム・バートンのインタビュー、ニコラス・ケイジのフッテージ、絵コンテを元にした再現などです。おもに話しているのはケヴィン・スミスダン・ギルロイ

ケヴィン・スミスダン・ギルロイが脚本について話します。条件として出されたものは「空を飛ばないこと」「スーツを着ないこと」「クモを出すこと」。ケヴィン・スミスはその3つに対して「あーうん、OK」「え? ……うん、OK」とか答えた、って言っていました。

「空を飛ばない」のは、「ずっと飛び続けない」という意味です。長いジャンプをして、いったん着地し、また飛ぶ、というスタイルでと。「スーツを着ない」は「今までのスーパーマンのような、青と赤、黄色のスーツはナシ。赤いパンツは特にナシ」でと。

よくネットでいじられている、この写真ですね。
かなり初期のもので、偶然半目になっているのが流出してしまったようす。「インターネット……なぁ〜……」みたいなこと言っていました。
「スーツは黒ベースで、光るようにしよう」ってことで、太い血管と筋肉に沿ったようなかんじで電飾入りのチューブを這わせたものを製作していました。Sのマークは武器として取り外しできるように。やや透明で、角度によって色が変わるようなものでした。

ニコラス・ケイジはスーツを着て身体を動かし「腕を曲げると、たるみが出るから直したほうが」「マントの素材はこれじゃないと思う」などいろいろ意見を出し、何着も試作品が作られていました。スーツはピッタリしていないといけないため、ニコラス・ケイジの身体を型取りしたものをベースにし、筋肉に合わせて細かくパーツ分けして、体型の似ているスタッフが試着したり。

髪が長いことについては、原作でも長髪のスーパーマンが出てくるときあるから、これもOKかなという話。長髪ではないニコラス・ケイジがスーツを着ている場面も。ニコラス・ケイジが選ばれた理由として、演技がうまい、と。『リービング・ラスベガス』(1995年)でアカデミー賞主演男優賞を受賞した時の映像も流れました。ティム・バートンの『バットマン』(1989年)にマイケル・キートンが起用されたことは当時叩かれたが、結果良かったし、とか。

「バットマンは『闇』のヒーローだ。スーパーマンは『光』のヒーローだ」

ここがね、すごく興味深い話ではあったのですが、英語を見聞きしてから日本語に変換し文章化する力がないため、すみません、そういう話が出ていましたということだけ書きますね。
ヴィランはクモで、最初大きいのがドーンって出てきて、小さいクモにスーパーマンが襲われてギャーみたいな、これ原作にあるようですね。そもそもベースのストーリーが原作にあるものです、タイトルわかりません、スーパーマンが死んでしまい葬式も行われる話です。

ヴィランの候補はクリストファー・ウォーケン。緑色で、身体をマントで隠しており、脱ぐと身体がなくて頭と脚だけというデザイン。シロクマもいましたね、モンスターではないです。スーパーマンの前にシロクマが2頭いて、でっかいクモが現れたと思ったらレーザーがビーって出て、シロクマの骨が透けて見えちゃってギャーみたいな。
他にもモンスターのコンセプト・デザインが大量に出てきました。「ティムは怪獣が好きだからね〜ゴジラとかね」ていう話も。モンスターは双頭のものとか、ぬるっとした身体に脚だけとか。忍者の話もしていて、スーパーマンが刀持ってる絵コンテがあったり。絵コンテを元にして、それを役者で再現したりアニメで再現したり。再現を見ていると、実際に映画化されていたらなあという気持ちが強まります。

クリプトン星は有機的なデザインで、ジョー=エルは頭に透明なマスクみたいなのをかぶっていました。『マーズ・アタック!』(1996年)の火星人みたいなかんじ。クリプトン星からカル=エルが脱出する宇宙船はドクロのデザインで、それはティム・バートンが「ナショナルジオグラフィック」の表紙で見た奇妙なドクロから着想を得、「眼窩を広げて、サイドにはH.R.ギーガーのデザインみたいなのを付ける」て話で、どこなのかな、場所わからないのですが、実際に作られたプロップが飾られているようすも。

「バットマンもスパイダーマンも人間だ。X-MENも。でも、スーパーマンはエイリアンだ」

これが本当にすごいなと思って、スーパーマンはエイリアンだから、地球になじめないはずだと。クラーク・ケントとして働くけれども、他人とのコミュニケーションがうまく取れないだろうと。
ニコラス・ケイジのクラーク・ケントは、サックスブルーのモッサリしたジャケットを着ているのです。ぜんぜん格好良くない。まさかこの人がスーパーマンだとは、誰も思わない。
わたしはクリストファー・リーヴの『スーパーマン』が好きなので引き合いに出しますが、クラーク・ケントのときもハンサムだし、メガネかけているくらいで、すぐ正体ばれちゃってもおかしくないよねってかんじですよね。ティム・バートンニコラス・ケイジのスーパーマンは、そこをクリアしている。

私は現在のティム・バートンニコラス・ケイジが映画界でどういう立ち位置なのか知っているから、この映画が滞りなく製作されたら良かったのに思ってしまいます。「マイノリティとしてのスーパーマン」という、ティム・バートン色のあるスーパーマンになったかなあと。
でも、もしかしたら、すごく叩かれたかもしれない。わからない。中止になったのは、あまりにも予算がかかりすぎることでワーナー・ブラザーズが難色を示したようです。このあたりに関しては、パッと調べればすぐ出てくると思います。

ティム・バートンは最後に「90年代に戻れたら?」と聞かれ「撮りたいよね」と答えていました。
ちなみにティム・バートン、「今って何年なの?」て言ってました。

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