クライムズ・オブ・ザ・フューチャー/新時代の快感

SF
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クライムズ・オブ・ザ・フューチャー

Crimes of the Future/監督:デヴィッド・クローネンバーグ/2022年/カナダ・ギリシャ合作

マスコミ試写で鑑賞。公開は2023年8月18日です。

あらすじ:「痛み」が消えた。

ネタバレはありません。

近未来、「痛み」の感覚が消えた世界。アーティストのソール(ヴィゴ・モーテンセン)は、体内に新しい臓器が出来ていることを知る。ソールはパートナーのカプリース(レア・セドゥ)とふたりで、臓器を取り出す手術を人前で行うというパフォーマンスを披露していた。有機的なデザインのベッドの上で解剖されるソールは明らかに快感をおぼえている。人に指摘されたように、痛みを伴わない手術は快楽=セックスであった。
そんな折、彼らのもとに「プラスチックを食べていた子供の遺体」が持ち込まれ……。

私はこれね、「臓器にタトゥーを入れてから取り出す」っていうのと「有機的な機械」っていうの、あと「痛みがない世界はどうなるか」をやりたかったんだな(クローネンバーグいつもそんなかんじっぽいけど、私はクローネンバーグの映画あまり観ていないので勘です)と思います。政治的な意図もありそうだけど、それよりも「お互いが離れたところにいて、傷をつけることで快感を得る」っていうのとか、クローネンバーグなりの未来感なんだろうなって。子供=進化した存在が、プラスチック=現代のごみ問題としてあるものを消化できてしまうというところには、現実味があるというか問題提起っぽいかなあ。

ここまで書いてから公式サイトのクローネンバーグのコメント読んだら、私が思ったことも間違っているわけではないのかなって思ったよ。監督と解釈が一致するんであれば、私が感じたこともまあまあ正解(映画に正解とか言うな)なのかな。わかりにくそうに見える映画だけど、話は込み入っていないし、やっていることの意味はわかるので、そんなに難しいものではないと思います。だから別に人を選ぶ映画ではないね。子供の死体が出てくることに嫌悪感を抱く人や、鋭利な刃物で切られたような傷口が出てくることに気分を悪くしてしまう人、そもそも内臓が無理な人には勧めません。だってそういうのがてんこ盛りなんだもの。

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