めまい/私はあなたを愛していたの

ミステリー
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めまい

Vertigo/監督:アルフレッド・ヒッチコック/1958年/アメリカ

U-NEXTで鑑賞。ずっと勧められていて、観なきゃ観なきゃと思っていました。恥ずかしながらヒッチコック作品は『サイコ』(1960年)と『見知らぬ乗客』(1951年)しか観たことがなくてですね……。

あらすじ:高所恐怖症でめまいが起きる。

ネタバレしています。注意書きはありません。

刑事のジョン(ジェームズ・スチュワート)は、犯人を追う途中で屋根に登り、転落しそうになります。彼を助けようとした同僚が転落死してしまったことをきっかけに、高所恐怖症を患ってしまったジョンは刑事を辞めてしまいました。ある日、旧友であるエルスター(トム・ヘルモア)に呼び出されたジョンは、エルスターから「妻であるマデリン(キム・ノバク)の素行調査をしてほしい」と頼まれます。


エルスターに気圧されてマデリンの尾行を始めたジョンは、マデリンの不可解な行動を目にします。美術館でマデリンが見入っていたある肖像画は、彼女の曾祖母のものでした。エルスターいわく、マデリンは非業の死を遂げた曾祖母の亡霊に取り憑かれているとのことです。半信半疑のジョンでしたが、ある日マデリンを尾行していたところ、彼女が彼の目の前で入水自殺を図ってしまい……。

私なんかがいまさら、ヒッチコック作品について技術的なところがどうの脚本がどうのと言える立場でないと思うのと、とはいえ”初見の新鮮な悲鳴”を聞きたい向きもあろうかとも思うのとで迷いますね。

中盤にある海辺でのキスシーンで、あらいけません、あらあら、これはキスしてしまいますよ、と思っていたら、キスと同時に波がザパーンって岩を打ち付けたのでちょっとびっくりしました。すごいタイミングだ……と思って。あれって合成なんでしょうか? それとも偶然で意味がなくて、驚くようなことでもないのかな。私としては、偶然だけど良かったから使った、だといいなーなんて。こういう細かいところすごく気になるたちなので……。

ジョンなんですけど、マデリンとキスしてから、元婚約者で今はちょうどいい距離感を保っているっぽい女性ミッジ(バーバラ・ベル・ゲデス)への態度があからさまにつれなくなるの、言いようのない「お前な……?」感がありましたね。ミッジはあきらかにジョンのことを好きだし、最初のうちはジョンも「よりを戻してもいいぜ?」的な態度だったのにさ。お前な……? いや、わかりますよ。マデリンは美人だし、ミステリアスなところや庇護欲をかき立てるところが魅力的なの、わかりますけれど。

と、ぷんぷんしておりましたところ、マデリンが急に身投げしたので、またびっくりしました。これはびっくりするものだと思います。まさか、謎だけ遺して逝ってしまうとは。ジョンは一連の出来事のせいで廃人同然になってしまい、ミッジが献身的に尽くすという流れに、ほんっと、ミッジ可哀想すぎる……と思っていましたよ。私はね、もう、ミッジが最終的に幸せになることを祈るよりほかなかったです。

さらにラスト35分くらいのところで急展開を見せたので、またまたびっくりしました。びっくりしてばっかりだね。いやー、こう来るとは。なぜ友人が私に『めまい』を勧めてきたのかがとってもよくわかってスッキリです。なるほどね! そしてやっぱりジョンが自分勝手すぎて呆れてしまいました。こんな人と結婚したらモラハラまっしぐらなので、ミッジが彼と結婚しなくて本当に良かったです。謎のミッジ推しありますね私。

ラスト、階段をむりやり登っているあたりで、あ、これはジョンが突き落とされて死ぬな? と思っていたら違ったため、4回目のびっくり来ました。面白かったです。残念なのは、私がこの作品(に限らずヒッチコック作品全般)を今まで観ていなかったということに尽きますね。もっと早く、できれば学生のうちに観ておけば、もっともっといろんな映画の元ネタがわかったはずなのに!

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