ビニールハウス/あなたがそう言ったのよ

サスペンス
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ビニールハウス

Greenhouse/監督:イ・ソルヒ/2022年/韓国

マスコミ試写で鑑賞。公開は2024年3月15日です。

あらすじ:ビニールハウスに住んでいる。

ネタバレはありません。

貧しさゆえに農業用のビニールハウスに住むムンジョン(キム・ソヒョン)は、少年院にいる息子と新居で一緒に暮らすことを夢見ています。その資金を稼ぐため、盲目の男性テガンと、その妻で重い認知症を患っているファオクの訪問介護士として働いているのですが……。


ある日、テガンの外出中にファオクが風呂場で暴れ出し、床に後頭部を打ち付けてそのまま亡くなってしまいます。ムンジョンは今の生活と息子との未来のため、認知症で入院していた自分の母親をファオクの身代わりにし、テガンの家へ連れてきます。

キャッチコピーが『パラサイト 半地下の家族』(2019年)を煽っているというか喧嘩売っているというか、ともかく耳目を集めるものでした。こういう、他の映画を彷彿とさせるキャッチコピーって、自らハードルを上げることになるので注意が必要だなと思いましたね。それでも、キャッチコピーで人を惹きつけるのは確かなので、兎にも角にも劇場へお客さんが足を運んでくれるきっかけにもなるということを考えると、けっこう扱いが難しいんじゃないのかな。

韓国の貧困層について詳しいわけではないので滅多なことは言えませんが、どうやらムンジョンのように農業用のビニールハウスで暮らす人はいるようです。

ムンジョンの息子が何をして少年院に入っていたのかは描写されないためわかりかねますが(こういうところを過剰に描かないのは良いですね)、登場人物たちの中に決定的に「悪い人」というのは1人しか出てきません。他の人たちはみんな、悪いことをしているわけでも悪い人でもないんです。そうするしかなかった、だから、やった。先のことを考えられない、だから、やった。あの人がやってもいいって言ったから、やった。自分で考える力すら衰え、今の生活から抜け出す方法もわからず、ただただ生きているという感じ。どうしようもない絶望感や、どんよりとした感情に見舞われる映画でした。

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