EO イーオー/その瞳に宿るもの

人間ドラマ
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EO イーオー

EO/監督:イエジー・スコリモフスキ/2022年/ポーランド・イタリア合作

マスコミ試写で鑑賞。公開は2023年5月5日です。インスピレーション元の『バルタザールどこへ行く』(1966年)も、良い機会なので観ました。

ロバがめちゃくちゃかわいいです。映画の終わりに「本作はいかなる動物も傷つけていません」と出ます。それでも、動物が映画に出ているとき、どんな状態であれ虐待されているように見えてしまう人にはおすすめしません。

あらすじ:ロバが解放されます。

ネタバレはありません。

サーカスで働いていたロバが、動物愛護団体により解放され、牧場へ連れられていきます。ところが……。

大きいスクリーンで観られるなら、その方が絶対に良いと思います。というのも、映像に独特の美しさがあるから。洗われている馬の毛並みとか、草原を走る馬とか、暖炉の火に浮かび上がる少女とロバのシルエットとかね。光って大事だなって思ったりしました。

ロバ、終始かわいいんですよ。首からぶらさげられた人参をポリ……って食べたりして。ロバは演技をしているように見えるんだけど、まあそれはある程度は勘違いだと思います。導入部からロバに感情移入というか、ロバ目線で物事を見るように仕向けられているから、劇中で起きている出来事について、一回ロバを通してからこちらの心に届く感じがありますね。それは偶然の産物かもしれないし、調教なりなんなりで人工的に作られたのかもしれません。いずれにせよ、観客が映画に没頭していることが重要なんだと思います。物語らしい物語があるわけではないし、セリフもしっかり聞いていなければ置いていかれるというわけでもないので、ある意味で鑑賞のハードルはとても下げられていると思いました。つまり、誰が観ても、何かを持って帰る事ができるということです。

なお、プレスによると、「ロバに何かをするよう説得する場合の唯一の方法は優しくささやき愛撫することで、声を張り上げたり緊張感を示していたら失敗していた」とあります。ここまで書いても、人間の娯楽に動物を付き合わせるのは間違いだし虐待だ、と思う人は、この映画は観なくていいと思います。私これ2回書きましたからね、わかってください。観たい人だけが観たらいいんです。

後半に差し掛かるところでびっくり展開があって、これは予想できなかった、誰もできない気がします。意味を考えると全然わからないし、物語に深く関わってくるかといえばそうでもないし。ただ、強烈に心に残ることだけは確かですね。おすすめです。

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