ザ・タワー/一寸先は闇

SF
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ザ・タワー

La tour/監督:ギョーム・ニクルー/2022年/フランス

マスコミ試写で鑑賞。4月12日(金)よりシネマート新宿ほかにてロードショー。

あらすじ:外は闇。

ネタバレはありません。

ある日突然、アパートの外がすべて闇になってしまいました。闇にものを投げ入れると消滅し、身体が外に出ると、そこでぶった切られたように消えてしまいます。


テレビもつかなくなり、携帯は圏外。閉じ込められてしまった人びとは、やがて人種ごとに小さなグループを作るようになりました。

最近観た、似た設定の映画は『コンクリート・ユートピア』と『ピンク・クラウド』でしょうか。ただ、今挙げたどちらの映画も「建物の外」はあるので、「建物の外=死」の今作とは(もちろん)違った印象があります。

そう、建物の外に出ると即死なので、殺人がたいへん簡単に行われるんです。捕まえて縛り上げて窓から捨てればなんにも残らない。あらゆる生き物は食料となり、魔術(呪い)に頼る者が出てきたりします。治安が悪い!

子どもが産まれたり、閉じ込められた中で生き延びるための心の拠り所として宗教があったり、人種が違うと敵とみなされたり、こんな状況下でもセックスするようすなどは、なんだか世界の縮図という感じがします。この映画の面白いところは、人びとがどのようにして生き延びようとするかについてなので、こういうこともあった、ああいうこともあった、と書き連ねるのはあんまり良くないかな。

90分にも満たないコンパクトな映画ですが、まったく希望もなにもない描き方が冷たくて良いですね。もし自分がここにいたら、と思うと、すぐ絶望して窓から身投げを図るような気がしました。

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